Good Sleep Talk

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“健康的な美と眠り”

  • 山田尚登先生
  • “夕陽に向かって走る”のは不健康なので,本当は“朝陽に向かって走れ!”と怒鳴らなければならないんですよ。

眠りを求める強い気持ちが、逆に眠りを妨げるのです

山田─そのような環境の中,適切な睡眠の質と量を確保するのは非常に難しいことですし,現在の久我さんにとっても実生活上の一つの大きな課題になっているのではないかと思います。
私は,睡眠に関して悩んでおられる方々の診療をする立場にありますので,久我さんにそのへんのお話をうかがいたいと思うのですが,久我さんの場合は,割と速やかに眠れる方ですか。

久我─そうですね。もともとはスッと眠れるタイプだったんですけど,この仕事を始めて,帰宅が深夜で翌朝が早いというスケジュールが当たり前のようになってきますと,必然的に眠れる時間が制限されてしまいますでしょう。すると一種の焦りが出てきて,寝つきが悪くなって睡眠不足につながるというような状態が多いですね。

山田─なるほど。結論から先に申し上げますと,実は,今おっしゃったような「焦り」こそが,眠れない最大の原因というか敵なんです→睡眠障害対処12 の指針3)。

久我さんの場合は,撮影その他のストレスやハードなスケジュールという,割と「分かりやすい」原因があります。しかし,私が診療している患者さんの中には,そのような原因らしきものが全く見当たらない,身体の症状もないしストレスもない,にもかかわらず眠れない,という方がたくさんいらっしゃいます。

久我─原因不明の悩みというのは,本当に辛いですね。

山田─ではなぜ眠れないのか。それは,眠れないことから生じる「焦り」,「眠らなきゃ」という気持ちそのものが原因であることが多いのです。
人間は自律神経(交感神経と副交感神経)のバランスを取って生きています。緊張感が高まってストレスがかかったりしているときは交感神経が働き,逆に,リラックスしているときには副交感神経が働きます。通常なら,夜になると徐々に交感神経が落ちてきて副交感神経が上がってくることで眠れるのですが,「眠らなきゃ」という気持ちが強いと,逆に交感神経が落ちてこないのですね。それで眠れなくなるわけです。ですから,よく患者さんに対しては,「眠ることにあまり気をつかい過ぎないようにしましょう。」というアドバイスをするんです。

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