Good Sleep Talk

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“健康的な美と眠り”

夕日でなく、朝日に向かって走れ!

山田尚登先生

●やまだ・なおと

1957年岐阜県生まれ。1987年,滋賀医科大学大学院(生体情報・制御系)修了。滋賀医科大学 睡眠学講座。

  • 専門研究分野:時間遺伝子,気分障害,概日リズム睡眠障害,朝方夕方尺度,光療法,非薬物治療
  • 趣味:読書,パソコン,スポーツ全般
  • 読者の方々へ一言:今後,睡眠の謎はさらに解明されてゆくはずです。私も,それに貢献できればと思っております。

山田─いわゆる「朝型」「夜型」というタイプ分けでいえば,久我さんはどちらですか。

久我─基本的に,夜は強いですね。かといって,朝がすごく弱いかというとそうでもなくて,睡眠不足が続いた状態でも,目覚まし時計が鳴るとパッと起きられるんです。

山田─それは非常に健康的ですね。私たちは,1日24時間という時間周期の中に暮らしているわけですが,実は,私たちの身体の中にも時計がありまして,これを体内時計というんですが,これは,24時間周期ではなく,約25時間でリズムを刻んでいて,実際の時間とは1時間のズレがあるんです。
例えば,毎朝7時に起きなければならないとしますね。その場合,ごく単純に言いますと,その翌日には,8時にならないと体内時計が「7時」と認識しないのです。そうやって1日1時間ずつズレていくわけです。しかし実際には,生活上の様々な刺激によってそのズレを修正し,体内時計を24時間周期に同調させながら暮らしているんです。
ですから,「寝る時刻」を遅くすることは簡単なんですが,「起きる時刻」を早くすることというのは,もともと誰にとっても生理的に難しいわけです。

久我─そのズレを矯正するコツというのはありますか。

山田─実に効果的な方法があるんですよ。それは,光を浴びることです。しかも,夕陽ではなく朝陽を浴びることなんです。体内時計が24時間周期に同調するために最も重要なのが,目から入る光刺激で,朝陽は体内時計を進め,夕陽は体内時計を遅らせるんです→ 睡眠障害対処12 の指針5)。

さきほど,お休みの日はずっと眠っていらっしゃるということでしたが,そういう日の夜は眠れますか?

久我─確かに眠れないですね。

山田─朝の光を浴びると,リズムがうまく同調して,夜眠れるようになるんです。ですから「今日は休日だけれども翌朝の予定が早い,そのために今夜は早く寝なければならない」というときには,朝の光を浴びて散歩などすると,きっちり夜に寝られるようになるんですよ。
古い青春ドラマなどでよく“夕陽に向かって走れ!”というような場面がありますでしょう。あれは,実は不健康なんですね。夜眠れなくなりますからね。夕陽ではなく,“朝陽に向かって走れ!”ですよ(笑)。

久我─すごく面白いお話ですね! 私の事務所の,夜に眠れないスタッフに早速教えます(笑)。

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