Good Sleep Talk

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自分の心と向き合って快適な眠りを

  • そうかもしれませんね。仕事の質を上げるためには,自分の生活の質や健康の質が良くないと絶対に無理だと考えるようになったんです。
  • 久我陽子さん

清水─それでは,症状のために,お仕事に穴が開いたり予定が変わったりしたことはありましたか?

高木─スケジュールがかなり先まで決まっていましたので,やはりそう簡単に穴を開けるというわけにはいきませんでしたし,不思議なもので,そういう悪い状態に対して次第に慣れていきましたよ,「起こるかもしれない」という状態に。

清水─いやぁ,それは精神的に大変お強いということですよ。「起こるかもしれない」という思いは,予期不安という名前が付けられているのですが,その予期不安があるだけで,日常生活にかなりの支障をきたしてしまう方はたくさんいらっしゃいますよ。

高木─強いですかね(笑)? 自分では,こう思っているんです……女優という職業は,演技で喜怒哀楽を表現していても,それを冷静に見つめているもう1人の自分がいないとつとまらないんですよね。その仕事で鍛えられているうちに,例えば発作が起こったとしても,「症状が起こっても死ぬわけではない」とか,「少し休めばいいんだ」というように,客観的に状況を把握して良い方向に考えられる別の自分というものが確立されてきたように思うんですよ。

清水─それでは,特にお薬を飲まれたわけではないでしょうか。

高木─お医者さんからは,自律神経の調整剤をいただきました。ですが,実際には飲まなくても,持っているだけでも結構効果があるんですよ。お守り代わりのような感じで持っていました。もちろん,どうしても調子が悪いときには飲みましたけれども。

清水─精神的な効果が得られるという点では,その「お守り代わり」の効果も決して侮れないですよ。それにしても,その状態が5-6年続いたわけでしょう? よく乗り越えてこられましたね。

高木─パニックの発作が強いときには,死にたくなるときもありました。でも,その発作は2-3分くらいで治まるんですよ。すると,すぐにケロッとして「さっきはどうして死にたくなったんだろう」と思ったり……。そのパターンを繰り返しているうちに,発作がきても2-3分我慢すれば治まるんだと考えられるようになりましたし,生活が不規則だったことや自律神経失調症があったことはもちろん辛かったですが,仕事が本当に好きだったから乗り越えられたんじゃないでしょうか。それから,演技をしている最中には集中していますので,症状が起こらないんですよ。

清水─眠っておられる間は大丈夫でしたか。

高木─疲れ切っていたのだと思うんですが,眠っている間は,もう何があっても起きないくらいに眠りこけていたと思います。

清水─一般的には,パニック障害などの精神科的な病気にかかっておられる方はかなりの確率で不眠症にもなるのですが,高木さんの場合はその点で珍しいタイプだと思いますし,大変冷静にご自身の症状と向き合われてきた背景に,女優というお仕事の本質があるかもしれないという点については,専門医として非常に興味深いところですね。

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