睡眠トピックス

ドクターからのメッセージ

第4回 日中眠くてたまらない人に

大阪回生病院睡眠医療センター 副院長
谷口 充孝 先生より

日中の眠気で困っている人が増えています。インターネットの掲示板でもこうした方の相談を時に目にします。日中の眠気の原因で多いのは、睡眠時無呼吸症候群という睡眠障害と睡眠不足によるものです。

睡眠不足にご用心


谷口 充孝 先生

意外に思われるかもしれませんが、睡眠不足であることに気がつかずに、われわれのような睡眠の専門医療機関を受診する患者さんも多いのです。忙しくて睡眠という大切な重要な生体の働きをないがしろにすれば、睡眠も悲鳴をあげます。
眠気というサインで訴えかけるのも当然です。自分の眠気が睡眠不足によるのかどうかは、2~3日間だけ睡眠を長時間確保しても判断できません。


日本人の睡眠時間量分布の変化(平日)

日中の眠気が続くなら、2~3週間という長期間にわたって8.5時間の睡眠時間を確保してみることが必要です(実は、これが忙しい現実の生活ではなかなかできないのですが。)。
また、睡眠覚醒リズムにも注意が必要です。休日に夜ふかしして朝寝坊していると、平日の眠気に苦しむことがあります。睡眠日誌をつけて、自分の睡眠をチェックする必要があります。

日中の眠気をきたす睡眠障害

十分な睡眠時間を確保しても眠い場合には、睡眠障害の可能性があります。日中の眠気をひきおこす睡眠障害には、睡眠時無呼吸症候群、ナルコレプシー、特発性過眠症などがあります。この中で最も多い睡眠障害は、睡眠時無呼吸症候群です。

奥さんからいびきがうるさいと言われている人に

-睡眠時無呼吸症候群にご注意-
一度、チェックリストをつけてみてください。激しいいびきや睡眠中の無呼吸の指摘があり、日中の眠気が強い場合、睡眠時無呼吸症候群である可能性が濃厚です。
この睡眠障害は肥満でいびきの激しい人に多いのですが、肥満がなくても、いびきがなくてもおこる可能性があります。睡眠時無呼吸症候群は非常に多い睡眠障害で、その患者さんは日本でも、成人男性の4~5%以上、女性(特に更年期以降が多い)の1%以上と推測されています。
まだ、潜在する患者さんに比べて不足はしていますが、この睡眠障害の診療できる医療機関は増えてきています。適切な治療を行えば、日中の眠気は非常に軽減します。

睡眠時無呼吸症候群チェックリスト

睡眠中のことについて、お答え下さい。
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日中のことについて、お答え下さい。
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身体の状態や生活スタイルについて、お答え下さい。

ナルコレプシー

ナルコレプシーも比較的多い睡眠障害です。その患者さんは日本では1000人に1.6-1.8人程度いると考えられています。ナルコレプシーの眠気は非常に強くて、食事中や電話中、試験中や会話中などの時にも眠ってしまう場合があります。この睡眠障害は、海外でも一般の医療機関では適切な診断がなされていないとの報告があります。日本での診療も、様々な努力がされていますが、まだ残念ながら不十分です。ナルコレプシーのパンフレットが無料でダウンロードすることが可能です(http://www.me-times.co.jp/)ので、医療を受ける際の参考にしてください。

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