1時間以上の昼寝は、さまざまな病気や死亡のリスクを高めることがわかっています1, 2)。
一方で、短時間の昼寝は、眠気や作業効率が改善されることもわかっています3, 4)。
短時間の昼寝をとることで、夜間の睡眠で中途覚醒が少なくなったという報告もあります5)。
これまでの研究結果から、昼寝後の作業効率を高めるためには、昼寝から覚醒するのは深い眠り(ノンレム睡眠N3)に入る前がよく6, 7)、そのために20分以下の就床(15分以下の昼寝)にするとよいことなどがわかっています(下表)8)。
より効果的な昼寝の長さ8)
入眠まで | 最適な昼寝の長さ | 最適な昼寝での就床時間 | |
---|---|---|---|
若年成人 | 5分 | 10~15分 | 15~20分 |
高齢者(65歳以上) | 5分 | 25分程度 | 30分程度 |
若年成人の昼寝(イメージ図)
起床直後は眠気が残る場合もありますが、あらかじめ起床時間を意識したり、昼寝直前にカフェインを摂取したりすることで軽減できると報告されています4)。
- 1)Liu X et al. Med Sci Monit. 2015: 21: 1269-75
- 2)Yamada T et al. Sleep. 2015: 38(12):1945-53
- 3)Tamaki M et al. Sleep Res Online. 2000: 3(3): 131-9
- 4)林 光雄. 高齢者の睡眠とその障害. 長寿科学振興財団2017 p.191-207
- 5)Hayashi M et al. Sleep Res Online. 2003: 5(1): 13-7
- 6)Brooks A and Lack L. Sleep. 2006: 29(6): 831-40
- 7)Hayashi M et al. Sleep. 2005: 28(7): 829-36
- 8)日本睡眠学会 編. 睡眠学 第2版. 朝倉書店2020 p.329