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コラム④:眠気のフィードバック

眠気は自覚できない?

睡眠不足や体内時計の乱れに伴う眠気は、人的ミスや事故につながります。

職業トラック運転手に対して、運転中に客観的な眠気評価および運転状態の評価を行い、その結果を運転手にフィードバックする実験を行ったところ、夜間運転時の眠気および車線維持コントロールが改善し、帰宅後に睡眠時間が増加することが報告されました1)

†一定時間における閉眼時間の割合(PERCLOS)や精神運動覚醒度テスト(PVT)など。

睡眠不足が続くと、作業効率が日に日に低下し続ける一方で、眠気には気づきにくくなることがわかっているため2)、何らかの方法で眠気を客観的に捉えて自覚することが、眠気の軽減や睡眠時間の確保につながると考えられます。

‡簡便な方法に、睡眠日誌や睡眠の記録ができるスマートウォッチの活用などがあります。

眠気のフィードバックは、運転手だけではなく、医療現場で長時間労働を余儀なくされている医師の健康維持に役立てることも検討されています3)

  • 1)Dinges DF et al. Transp Res Record. 2005: 1922(1): 175-82
  • 2)Van Dongen HPA et al. Sleep. 2003: 26(2): 117-26
  • 3)令和4年度 厚生労働行政推進調査事業費補助金(厚生労働科学特別研究事業)「長時間労働医師への健康確保措置に関するマニュアルの改訂のための研究」研究班. 長時間労働医師への健康確保措置に関するマニュアル. p.44-51
  • 【参考】日本睡眠学会 編. 睡眠学 第2版. 朝倉書店 2020 p.330-3

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