
昼寝の必要性や影響は、年齢や生活リズムによって異なります。
思春期を迎えた子どもは、日中の学業や部活動による疲労から、学童期にほぼ消失していた昼寝が再びみられるようになります。
日本の中高生を対象とした調査では、約50%が週に1回昼寝をし、これらの生徒の30%以上が17時以降に仮眠をしていました1)。
思春期には、体内時計(概日リズム)が後退(夜型化)する傾向もあり2)、夕方の眠気から長時間の仮眠をとってしまうと、夜間の入眠がさらに遅れ、睡眠リズムに乱れが生じます。
この乱れた状態が続くと、睡眠の問題(日中の眠気や夜間の入眠困難・夜更かしなど)が慢性化する可能性があります。
大学生(19~24歳)を対象とした研究では、14時から約10分間の昼寝がその後の作業パフォーマンスを改善したと報告されています3)。このように、若年者にとっては、寝付くまでの約5分を含め15〜20分ほどの短い昼寝を取ること†が作業パフォーマンスの改善につながると考えられています4)。
†:深い眠りに入ってしまうと、目覚め後にぼんやりしてパフォーマンスが低下するため、深く眠る前に目覚める、短時間の睡眠が昼寝として望ましいと考えられました。
- 1)
- Fukuda K and Ishihara K. Psychiatry Clin Neurosci. 2002. 56(3): 229-30
- 2)
- Crowley SJ et al. PLoS One. 2014: 9(11): e112199
- 3)
- 林 光雄. 高齢者の睡眠とその障害. 長寿科学振興財団 2017 p.191-207
- 4)
- Hayashi M et al. Sleep. 2005: 28(7): 829-36
- 【参考】
- 日本睡眠学会 編. 睡眠学 第2版. 朝倉書店2020 p.326-30













