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コラム③:燃え尽き症候群

睡眠障害があると、燃え尽きやすい!?

医療従事者や学校の教職員などの対人支援職で、燃え尽き症候群が問題となっています1)
「理想に燃え使命感にあふれた人を襲う病」2)で、それまで仕事を頑張っていた人が、心のエネルギーを使い果たして疲労し、自己嫌悪や無気力などの症状をあらわします。

災害時には、自治体職員や消防隊・団員、ボランティアの方々なども支援者として活動します。
長期にわたって支援活動に過剰に打ち込んだり、自身の疲労を過少に評価したりする状態が続くと、心身に不調をきたします3)

平常時の研究ですが、不眠症や交替勤務障害などの睡眠障害がある医師は、睡眠障害のない医師に比べて、燃え尽き症候群のリスクが約3.7倍だったという報告もあります(多変量ロジスティック回帰モデル)4)

災害時の避難生活・救援活動は長期戦です。
規則的に定められた休息をとったり、同僚と共働体制を整えたりするとともに、自身の限界を受け入れ、必要に応じて専門家による支援を受けることが推奨されています3)

  • 1)久保真人. 日本労働研究雑誌. 2007: 558: 54-64
  • 2)Price DM and Murphy PA. Death Educ. 1984: 8(1): 47-58
  • 3)酒井明夫 他 監. 災害時のメンタルヘルス. 医学書院 2016. p. 128-32
  • 4)Weaver MD et al. JAMA Netw Open. 2020: 3(10): e2023256
  • 【参考】厚生労働科学研究費補助金 障害者政策総合研究事業(精神障害分野)災害派遣精神医療チーム(DPAT)の機能強化に関する研究「災害時の支援者支援マニュアル」

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