
体内時計(概日リズム)は月経周期によって変化することがわかってきています1)。
雌マウスによる実験では、月経期にあたる時期に、昼間の光によって体内時計が前進したという報告があります2)。
マウスは夜行性のため、昼が休息期、夜が活動期に該当しますので、この実験結果から、ヒトでも休息期の夜間の光が体内時計をずらす可能性が考えられます。
月経周期を記録することで、睡眠の変化が起こりやすい時期を把握し、状態に応じて生活習慣を変えることで、睡眠の問題を和らげられる可能性が期待されています3)。
一方で、遅寝遅起きの習慣がある人ほど体内時計がずれやすく、社会的ジェットラグが大きい人ほど月経周期の日数が延びたとも報告されています(r=0.638、p=0.0471、ピアソンの相関係数)1)。
体内時計を整えることで、加齢による月経周期の乱れや不妊症を改善する可能性があることも報告されています4)。
- 1)
- Namie T et al. Sleep Biol Rhythms. 2024: 23(1): 5-12
- 2)
- Mizuta S et al. Horm Behav. 2018: 105: 41-6
- 3)
- 厚生労働省「健康づくりのための睡眠ガイド2023」 p. 38-41
- 4)
- Takasu NN et al. Cell Rep. 2015: 12(9): 1407-13