睡眠トピックス

ドクターからのメッセージ

第1回 4~5人に一人が不眠に悩み 睡眠薬は怖い? お酒は安全?

久留米大学医学部神経精神医学講座 教授
内村 直尚 先生より


内村 直尚 先生

われわれ久留米大学では一昨年、一般住民の方(8,521人)を対象にアンケート調査を行いました。27%の方が最近1年間で不眠で困ったことがあるという結果でした。ほぼ毎日眠れなくて深刻に悩んでいる人は4%ぐらいでした。
不眠の重症度によって睡眠薬とお酒を飲んでいる人を分けてみたのですが、軽度の不眠の場合には睡眠薬を使っている人が20%ぐらい、お酒が40%ぐらいでした。それが深刻な不眠になってくると、睡眠薬の使用率がぐんと伸びて一気に増えます。お酒のほうは重度になっても3%ぐらいしか増えません。

ですから日本では、軽度の不眠の場合はお酒で眠り、深刻な不眠で睡眠薬を使い出すという傾向があることがわかったのです。実際、聞き取り調査をすると、実際はそうではないのに睡眠薬は怖い薬だ、ぼけるのではないか、どんどん薬の量が増えていくのではないか、一生やめられないのではないかという不安があって、お酒のほうがずっと安全だという誤った認識がかなり広がっているようです。

ところが、お酒が安全かというと、そうでもないのです。適応な量のお酒は、寝つきを良くすることはありますが、飲みすぎると徐波睡眠(深い睡眠)を減らしたり、夜中や朝早く目が覚めたりします。経験したことがある方もおられると思いますが、お酒で睡眠の質・量ともに悪くなるのです。また、お酒は夢を見ることの多いレム睡眠を抑制し、お酒を止めるとリバウンドで悪夢を見ることも多いのです。そのために、寝酒を止められず、依存症が出てきたり肝臓を悪くすることもありますし、糖尿病などの合併症も併発してきます。

現在の広く使用されて睡眠薬は、昔使用されており過量投与で死の危険性もあったバルビツール系睡眠薬とは異なり、経口投与では生命維持機構への抑制はほとんどありません。したがって、適切に使用しているかぎりは、睡眠薬はお酒よりも安全なのです。

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