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コラム③:短時間睡眠者

短時間睡眠者は眠気に強い?

睡眠時間には個人差があり、同じ年齢層の平均睡眠時間よりも短い睡眠で足りる人がいます。
一般に、1日6時間未満の睡眠でも日常生活・健康に支障がない人は、短時間睡眠者(ショートスリーパー) 1)と呼ばれますが、明確な定義はありません。

習慣的な短時間睡眠者は、長時間睡眠者(1日9時間以上)と比べて、睡眠欲求が高い状態で生活しており、その状態に耐えられることがわかっています2)

短・長時間睡眠者の睡眠欲求(イメージ図)

カフェインによる覚醒作用 1)

Aeschbach D et al. Neuroscience. 2001: 102(3): 493-502 を参考に作図

この研究の短時間睡眠者には、体質的な短時間睡眠者も含まれている可能性はありますが、多くの人が慢性的な短時間睡眠に長期適応したと考えられます2)

†遺伝的な短時間睡眠者の数は研究報告がなく不明ですが、非常に少ないと考えられています。

なお、慢性的な短時間睡眠の人では、作業効率が日に日に低下し続けている一方で、眠気に気づきにくくなることもわかっています3)

令和元年度国民健康・栄養調査報告によると、20~60歳未満の成人で、1日の睡眠が6時間未満の者の割合は46.1%で、そのうち特に睡眠の確保に困っていないと回答した者は20.7%と報告されています4)

  • 1)Hartmann E et al. J Psychiat. 1971: 127(8): 1001-8
  • 2)Aeschbach D et al. Neuroscience. 2001: 102(3): 493-502
  • 3)Van Dongen HPA et al. Sleep. 2003: 26(2): 117-26
  • 4)厚生労働省. 令和元年度国民健康・栄養調査報告, 第3部 生活習慣調査の結果 p.185、188
  • 【参考】日本睡眠学会 編. 睡眠学 第2版. 朝倉書店 2020 p. 376-9
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