日本では、全雇用者の約20%が夜勤を伴う交代勤務に従事していると報告されています1)。
交代勤務者は勤務時間帯が常に変化するため、昼夜サイクルに合わせて体内時計を調整することが難しく、約80%の人が睡眠における不調を抱えていると推計されています2)。
光刺激に対する策としては、夜勤時の職場の照明を普段より明るくしたり、夜勤明けの帰宅時にサングラスで朝の光刺激を避けたりするとよいと考えられています2)。
「質の高い睡眠のために:夜勤・シフト勤務の方の生活改善方法」もご参照ください。
光刺激以外の対策として、これまでの研究から下記についてもわかってきています3)。
①勤務の間隔は11時間以上あけたほうがよい4)
短い間隔は避けるべき
②夜勤の時は仮眠をとる5)
15分程度の軽い仮眠:深い眠り(ノンレム睡眠N3)に入る前まで
または90~120分程度の仮眠:1回分の睡眠サイクルを経過するまで
③できるだけ働く人の希望を考慮した勤務スケジュールにする
労働時間について裁量を持たせることで働く人の血圧低下につながった6)
④物理的にだけではなく、心理的にも休日は仕事から離れる
休日は家にいるよりも、友人と外出するなど、余暇を楽しむ方が疲労回復が早かった7)
- 1)久保達彦. 産業医科大学雑誌. 2014: 36(4): 273-6
- 2)睡眠障害の診断・治療ガイドライン研究会 内山真 編. 睡眠障害の対応と治療ガイドライン 第3版. じほう 2019 p.205-8
- 3)日本睡眠学会 編. 睡眠学 第2版. 朝倉書店 2020 p.198-200、346-50
- 4)Vedda Ø et al. Ergonomics. 2016: 59(1): 1-14
- 5)公益社団法人日本看護協会. 看護職の夜勤・交代勤務に関するガイドライン 第1版. メヂカルフレンド社 2013 p.91
- 6)Viitasalo K et al. J Work Environ Health. 2008: 34(3): 198-205
- 7)久保智英 他. 産業衛生学雑誌. 2013: 55(3): 90-102