睡眠と関係の深いホルモンには、睡眠に関連して分泌されるホルモンと、睡眠の直接の影響を受けずに分泌されるホルモンがあります1, 2)。
成長ホルモンは、睡眠に関連して分泌されるため、眠る時間帯がずれた場合は成長ホルモンの分泌パターンも一緒にずれます3)。
成長ホルモンは、成長を促すだけでなく、疲労回復や身体修復に重要な働きがあり、大人にも必要なホルモンです2)。
一方、メラトニンやコルチゾール†は、睡眠の直接の影響を受けずに約24時間周期のリズムで分泌されるため、眠る時間帯がずれても分泌パターンはずれません。
交代勤務者のように眠る時間帯と概日リズムが合わない状態が続くと、不調をきたすこともあります(詳細は「体内時計」を参照してください)。
- * ホルモンとは、さまざまな体の機能を調節する働きのある化学物質です。
- † コルチゾールには、弱い睡眠依存性もあるとされています。
- 1)高橋康郎, 高橋清久. ヒトの睡眠覚醒リズムの変化に伴うホルモン分泌リズムの変化. 適応と脳ホルモン(伊藤眞次・川上正澄 編). 理工学社1979 p.226
- 2)睡眠障害の診断・治療ガイドライン研究会 内山真 編. 睡眠障害の対応と治療ガイドライン 第3版. じほう2019 p.23-24, 205
- 3)日本睡眠学会 編. 睡眠学 第2版. 朝倉書店2020 p.155
- 4)Takahashi Y et al. J Clin Invest. 1968: 47(9): 2079–90
- 5)van Coevorden A et al. Am J Physiol. 1991: 260: E651-61