夢は、レム睡眠中だけでなく、ノンレム睡眠中にも見ていることがわかってきています1, 2)。
ただし、レム睡眠中かノンレム睡眠中かで、夢の報告率や内容には違いがあります。
夢の報告率1, 2) | 夢の内容3) | ||
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一般的な知識や情報の記憶 (1日24時間など) |
個人が経験した実際の 出来事に対する記憶 |
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レム睡眠 | 51~76% | 61% | 39% |
ノンレム睡眠 | 12~18% | 52% | 48% |
レム睡眠では、脳が起きていて、眼球に動きがあるのが特徴です。そのため、鮮明な視覚イメージがあらわれたり、さまざまな情報が統合・処理されてストーリー性が生じたりして、複雑な夢を見ると考えられています。
ノンレム睡眠では脳や眼球は休んでいる状態のため、レム睡眠に比べて単純な夢になると考えられています。
レム睡眠やノンレム睡眠に関わらず、脳の特定の部位における脳波活動が夢の報告の有無と関係するという報告もあります4)。
夢は、さまざまな研究から、脳が睡眠中に行っている記憶や感情の再体験の結果と考えられていますが、そのしくみについては未解明な部分が数多く残されています。
- 1)Takeuchi T et al. J Sleep Res. 2001: 10(1): 43-52
- 2)鈴木博之 他. 生理心理学と精神生理学. 2002: 20(1): 19-28
- 3)Cicogna P et al. Sleep Res Online. 2000: 3(2): 67-72
- 4)Siclari F et al. Nat Neurosci. 2017: 20(6): 872-8
- 【参考】日本睡眠学会 編. 睡眠学 第2版. 朝倉書店2020 p.384-94