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コラム②:寝だめ

寝だめはできる!?

寝だめ(補充睡眠)については、睡眠不足解消にある程度の効果があることがわかってきています1)
平日の睡眠時間が短めでも、休日に睡眠時間を長めにとると、死亡リスクは毎晩7時間睡眠している⼈と⽐べて、差はみとめられなかった(多変量コックス回帰分析)と報告もなされています2)
ただし、睡眠不足が蓄積している場合(睡眠負債)は、数日間をかけても回復しきれない場合があることもわかっています1)

休日の寝だめで危惧されるのは、社会的ジェットラグです。
社会的ジェットラグは1~2時間程度でも身体的・精神的健康や日中の活動に影響すると考えられています。

一方、睡眠不足に備えての寝だめ(先取り睡眠)については、普段の就寝時間の2~3時間前がもっとも眠りにつきにくい時間帯であり、早めに寝ようと試みても寝つけないことがわかっています3)
また、健康な人が16時間の就床を9日間続けても、夜間睡眠は9時間だったという報告もあります4)

  • 1)Rupp TL et al. Sleep. 2009: 32(3): 311-21
  • 2)Åkerstedt T et al. J Sleep Res. 2019: 28(1): e12712
  • 3)Lavie P. Electroencephalogr Clin Neurophysiol. 1986: 63(5): 414-25
  • 4)Rajaratnam SMW et al. J Physiol. 2004: 561(1): 339-51
  • 【参考】日本睡眠学会 編. 睡眠学 第2版. 朝倉書店 2020 p.326、352-3
    睡眠障害の診断・治療ガイドライン研究会 内山真 編. 睡眠障害の対応と治療ガイドライン 第3版. じほう 2019 p.62

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