社会的ジェットラグとは、体内時計が仕事や学校に行くなどの社会的な時間とずれることで生じる不調のことで、その指標には「休日の睡眠中央時刻」から「平日の睡眠中央時刻」を引いた差分(ずれ)が用いられます1)。
社会的ジェットラグ=休日の睡眠中央時刻—平日の睡眠中央時刻1)
平日に短縮されがちな睡眠時間を休日に取り戻そうとして、週末ごとの寝だめが習慣化すると、1~2時間程度のずれであっても、身体的・精神的な健康や日中の活動に影響すると考えられています2)。
全国調査では、1時間以上の社会的ジェットラグを、20代の61%が、30代の53%が抱えていたと報告されています2)。
社会的ジェットラグの年代別割合3)
社会的ジェットラグ | 20代 | 30代 | 40代 | 50代 | 60代 |
---|---|---|---|---|---|
1時間以上 | 61% | 53% | 43% | 31% | 14% |
3,708人(定期的な勤務スケジュールを持つ成⼈、平均年齢45.1歳)を対象にした日本の社会的ジェットラグに関する全国横断的インターネット調査
研究の限界:睡眠の健康に関⼼がある⼈が回答している、回答率が⽐較的低いなど。
朝の光をあびる(光刺激を受ける)と体内時計が調整され、それから約15~16時間後に眠気が出現することもわかっており4)、週末も平日と同じ時刻に起きることが規則正しい入眠につながると考えられています5)。
- 1)Roenneberg T et al. Handb Exp Pharmacol. 2013: (217): 311-31
- 2)日本睡眠学会 編. 睡眠学 第2版. 朝倉書店 2020 p.352-3
- 3)Komada Y et al. Sleep Biol Rhythms. 2019: 17: 417-22
- 4)Kubota T et al. Neurosci Res. 2002: 42(2): 115-22
- 5)睡眠障害の診断・治療ガイドライン研究会 内山真 編. 睡眠障害の対応と治療ガイドライン 第3版. じほう 2019 p.5-6