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睡眠トピックス

矢崎葉子 連載エッセイ 眠れぬ夜のあなたへ 10年来の不眠症に悪戦苦闘。「不眠な人々」の著者が語る、眠れないあなたへの処方薬。

Vol.4 私がつかんだ眠りの極意

すわっ!また眠れない

私は今、長年暮らした東京から引っ越し、沖縄に暮らしている。理由は夫の転勤だった。
それまでは私の仕事のこともあり転勤族の夫とは別々の暮らしを続けてきたが、今回は沖縄という地への強い思いと個人的なタイミングもあって、転勤先の沖縄で夫と同居することに決めた。

しかし、まさかそれが不眠をぶり返すきっかけになるとは「想定外」だった。沖縄といえば、「スローライフ」や「癒し」で語られる土地柄だ。友人らは「沖縄ならよく眠れるでしょ」と口を揃えたし、当の私もそう信じていたから。確かに当初は東京生活の慌しさから解放され、睡眠も順調だった。
ところが、夫の仕事は「交代勤務」で、勤務時間が毎日違う。その不規則な勤務帯に次第に私自身の「不規則ながら私なりに規則的な」ペースは乱れ、眠れなくなっていった。
またしても生活環境の変化が不眠の引き金だった。

しかし、改めてこのときに気づいたのは私自身がかつてと変わっていたことだった。
昔のようにジタバタしない自分がいた。新しい住まいの近くの医院で睡眠薬を処方してもらい、「そのうち眠れるだろう」「眠れなかったら寝なければいい」くらいの気持ちでやり過ごすうちに、いつの間にか新しい生活に合った眠りのパターンにたどり着くことになった。

今、私は睡眠を二度、三度に分けてとっている。前回、「夜の眠りで足りない分は長めの昼寝で埋め合わせする」と書いたが、現在はもっとはっきりとした分散寝になった。
たとえば深夜の午前3時頃から朝7時過ぎまで寝て、再び、昼頃から2時間ほど寝て、夕食のあとで軽く寝る。総合すると睡眠時間は6時間半から7時間というところで、原稿は夜中に書くという具合だ。眠くなったら寝る、ということをやっているうちに自然にそういうパターンに落ち着いた。

前にも書いたが、多くの動物は一日に何度も寝る。我々の祖先も昔はそうであったという。ひとがまとめて夜眠るというリズムは社会生活や環境に合わせた、いわば眠りを高度に進化させた形。
言い換えれば、ひとの睡眠は脆いものではあるが、同時にかなり多様性のあるものだ。私のような眠り方があっても不思議ではないはずだ。

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[医療監修]
滋賀医科大学 名誉教授 山田 尚登 先生

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