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睡眠トピックス

矢崎葉子 連載エッセイ 眠れぬ夜のあなたへ 10年来の不眠症に悪戦苦闘。「不眠な人々」の著者が語る、眠れないあなたへの処方薬。

Vol.3「自分らしい眠り」へのプロローグ

さりげなく何気なく、自律訓練

医師から「自律訓練法」という療法の指導を受けることになったのは、通院から2ヶ月近くが経った頃だと思う。
その頃には睡眠への不安や焦りはかつてと比べだいぶ軽減されていた。ただ睡眠時間は5、6時間ほどで、できればもう少し眠りたいところだった。

自律訓練について簡単にお話しすると(ちょっとばかり堅苦しい説明が続きますが、途中で眠気を感じたら、遠慮なく横になってください)、自律訓練とは、からだに注意を傾け自己に暗示をかけることで緊張や不安を解き、心身を整えていけるようにする方法である。自己暗示だから自身が必要なときにリラックス状態を作り出せるので、たとえば寝る前に行えば眠気につながる。薬以外の不眠治療法の代表的な方法といってもいいだろう。

自律訓練にはいくつかの段階があって、まず「気持ちが落ち着いている」と暗示をかけながら、四肢の先端に意識を集中させ、「手足の重さを感じる」ことからはじまる。私の場合、医院のベッドに身を横たえ、その横で医師がまるで読経のような低い声で「気持ちがー落ち着いているー」「右腕がおもたーい」と唱えるというやり方だった。
最初、医師の独特な節回しの唸りに驚いたものの、数分間続けるうちに慣れ、けっこう脱力感が味わえた。それと同時に緊張が解けてぐったりしたからだを元に戻す消去動作も練習する。そうやって医師から手順を習ったあと、自分で行えるよう自宅で練習を繰り返していくわけだ。

その次の段階は「手足の温かさ」を感じる暗示で、さらに「呼吸が穏やかになる」「心臓がゆっくり鼓動する」「みぞおちが温かい」「胃、腸が温かい」「額が涼しい」と進み、効果を全身に深めていく。
そういえば自律訓練の際、医師から何度も念を押された。

「訓練とか思わずさりげなく何気なくね。くれぐれもがんばって習得しようなんて思わないで適当にね」

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[医療監修]
滋賀医科大学 名誉教授 山田 尚登 先生

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