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睡眠トピックス

矢崎葉子 連載エッセイ 眠れぬ夜のあなたへ 10年来の不眠症に悪戦苦闘。「不眠な人々」の著者が語る、眠れないあなたへの処方薬。

Vol.3「自分らしい眠り」へのプロローグ

「私らしい眠り」の入口

服薬と「がんばらない」自律訓練の練習が「さりげなく」進んでいくなか、次第に私の眠りに変化が出てきた。
いつしか昼寝を日課にするようになっていったのだ。以前から医師には「夜の眠りが足りないなら昼寝をとったらどう?」といわれていたものの、習慣がなかったからか眠気を感じることはあってもなかなか昼寝には至らなかった。

ところが、ある昼下がり、床にごろんと転がるとすーっと眠っていた。小1時間だったがそれがすこぶる気持ちがよかった。
一般的に昼寝は30分を越えない程度の時間がその後の活動を快活にするといわれている。それ以上になると眠りが深くなってしまうので起きたときにぼんやりしたり、また昼寝をとる時間帯によっては却って夜の睡眠に支障をきたしてしまうこともあるらしいが、この際そういったことはカッコでくくることにした。
私の場合、昼寝を夜の足りない睡眠の埋め合わせ的な眠りと考えれば長めでも悪くないはずだし、なにより心地よさが優先だ。生活に支障がない限り、どうやって寝たっていいのだ。

ヒトの睡眠は生活上、夜にまとめて眠ることが一般的になっているが、動物界全体から見るとそれは特異なパターンで、分散して睡眠をとるのがほとんどの動物の眠り方である。
また意識されることは少ないが、その「夜にまとめて寝る」というのも先進工業国に求められた効率のよい覚醒のための合理的な睡眠パターンであって、一部の国のある年齢の人たちの眠りにすぎない。

自由業の私にはどうやら動物的な分散寝が合っていたらしく、以来、眠りへのプレッシャーも随分と取り除かれた。ようやく「自分らしい眠り」のスタートラインに立ったのかもしれなかった。
一方、医師に習っていた自律訓練は、自宅での練習を続けるうちそれがそのまま布団に入るときの儀式のようなものになった。医者に通いはじめてから半年が経過していた。

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[医療監修]
滋賀医科大学 名誉教授 山田 尚登 先生

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