光が生体リズムのズレを修正する
山田 尚登先生
「あの夕日に向かってみんなで走ろう!」というのは、青春ドラマにお決まりのラストシーンです。しかし、もし夕日に向かって毎日走ったとしたら、彼らは不眠に悩んでいたかもしれません。
1日が24時間であるのに対して、ヒトの体内時計は、約25時間でリズム(生体リズム)を刻みます。つまり1時間のズレがあります。ヒトは毎日、このズレを様々な刺激によって修正し、24時間周期に同調しているのです。同調に最も重要なのは目から入る光刺激で、朝の光は体内時計を進め、夕方の光は遅らせることが分かっています。朝、目覚めに明るい光を、夜、就寝前には明るさを抑えて、というのが安定した生体リズムのための基本です。
朝の光は今晩の快眠のため
睡眠と覚醒のリズムが社会生活に同調できないため、不眠で悩む方がいます。そのような患者さんでは、生体リズムが崩れている場合がしばしば見られます。夜、寝る直前まで明るい照明の下で過ごしたり、朝、カーテンを締め切った部屋で過ごしたりするのは、生体リズムを崩すため、不眠の原因となります。
快眠のためには、カーテンを開け放し部屋に朝日を入れましょう。走るのなら夕日ではなく、朝日に向かって!が快眠のコツかもしれません。