睡眠トピックス

ドクターからのメッセージ

第7回 不眠はうつのサイン?

名古屋大学大学院医学系研究科
精神医学・親と子どもの心療学分野 教授 尾崎 紀夫 先生より

うつと不眠の関連について


尾崎 紀夫 先生

うつの基本症状の中に睡眠障害が含まれています。その睡眠障害の中でも、よく眠れないという不眠の訴えは90%以上の患者さんにみられる症状の1つです。それだけではなく、不眠の症状を持っていると、その時点ではうつの症状がなくても将来うつに発展する危険性があるということがわかってきています。また、うつの他の症状がよくなっても不眠の症状が残り、そのことがうつ病を再発させやすくするといったデータもあります。

うつに伴う不眠の特徴

うつの患者さんでは、途中で目が覚める、あるいは寝つきが悪いといった不眠の症状が多くみられます。それだけでなく、目が覚めてもすっきりしない、要するに睡眠の感覚が非常によくないということが特徴的です。そのため、目が覚めてもなかなか床から出られないことがよく認められます。

日常生活で気をつけること

よりよい睡眠のためには、昼間の過ごし方も重要です。例えば午前中に十分に光に当たっておくことが夜のよりよい睡眠につながります。また、不眠の症状が出た場合には、昼間の過ごし方や睡眠に関する十分な知識を得て、どのように睡眠をとるべきかを考えるのも大切なことです。

周囲の人が気をつけること

不眠はうつの基本的症状であるため、不眠の場合には、うつの可能性を念頭におくことがとても重要です。患者さんにとって非常にお困りの不眠という点を中心にそこからまず医療機関への受診を勧めていただくというのも一つの方法です。不眠からうつを生じている可能性に気付いた場合には、医療機関への受診をぜひ勧めていただくようにお願い申し上げます。

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