光が生体リズムのズレを修正する
地球の自転の周期が24時間であるのに対して、人の眠気の周期は24時間ではありません。近年、人を光や外界からの刺激を遮断した状態に置くと睡眠・覚醒のサイクルは24時間周期では現れてこないことが、さまざまな実験よりわかってきました。人の体内時計は、約25時間でリズム(生体リズム)を刻みます。つまり1時間のズレがあります。人は毎日、このズレを様々な刺激によって修正し、24時間周期に同調しているのです。
同調に最も重要なのは目から入る光の刺激で、朝の光は体内時計を進め、夕方の光は遅らせることが分かっています。朝、目覚めに明るい光を、夜、就寝前には明るさを抑えて、というのが安定した生体リズムのための基本です。
朝の光は今晩の快眠のため
睡眠と覚醒のリズムが社会生活に同調できず、不眠で悩む方がいます。そのような患者さんでは、生体リズムが崩れている場合がしばしば見られます。
夜、寝る直前まで明るい照明の下で過ごしたり、朝、カーテンを閉め切った部屋で過ごしたりするのは、生体リズムを崩し、不眠の原因となります。快眠のためには、カーテンを開け放し部屋に朝日を入れましょう。朝は意識的に太陽の光に接するように生活するのが快眠のコツかもしれません。