睡眠薬の「うさぎ」と「かめ」
睡眠薬で眠れなくなる、そんなことがあるのでしょうか。睡眠薬は、作用時間によって効きかたが異なります。入眠障害に効果の高い「半減期の短い睡眠薬」は、作用時間が短いために、すぐ効いて目覚めがよく、たとえると「うさぎ」タイプの薬と言えます。
一方、熟眠障害・早朝覚醒に有効な「半減期の長い睡眠薬」は、作用が長時間持続するために、ゆっくり効く「かめ」のタイプの薬と言えます。
急にやめると、不眠になることも
現在もっともよく使われているベンゾジアゼピン系の睡眠薬は、安全性の高い薬ですが、長く飲み続けていた人が急に中止した場合には、以前よりもひどい不眠をきたすことがあります。 これを「反跳性不眠」と言います。
この反跳性不眠の傾向は、うさぎタイプの薬をやめた人に強くみられます。睡眠薬をやめても不眠にならないためには、少しずつ量を減らしていく、かめタイプの薬に切りかえてから1日おきに飲む、などの方法で徐々に薬を減らしていきます。ただしいずれの場合も、必ず医師に相談しながらおこないましょう。
なお、反跳性不眠や離脱症状などのため、容易に薬をやめることができないまま依存状態になってしまうことを常用量依存と言います。漫然と継続したまま長期使用にならないよう気を付けましょう。